コテ先温度計

 数年前から温度調節のできる半田ステーションHAKKOのFX-888とFX-888Dを使っています。これまでに温度の校正を行ったことがなく、本当のコテ先温度は未確認のままでした。今回はコテ先温度計を自作します。

 コテ先温度計で検索すると以下のArduinoシールドやワンダーキットが出てきます。HAKKOの191-121 K型熱電対センサーを使用したものです。

www.switch-science.com 上記のArduinoシールドはとても良いのですがLCDを実装すると少し不安定なので基板を延長してLCDを固定したいと思いました。また、センサーのテンションを手動で調整できるように頂点のネジ穴を長穴に、また、マックス値のホールド機能を付けたときホールドした値をクリアするためのボタンを追加したいです。

 使用するICは上記と同じMAX31855とします。このICは秋月さんで単体販売されていますので入手が容易ですけど、上限電圧が3.6Vなのでシールドにした場合はGPIOの電圧を考慮する必要があります。上記のシールドはジャンパーを設定することで切り替わるようになっています。ウチには3.3V、5VのArduinoがありますので気にせずに使えたら良いなと思ていたところ、よくできている回路を見つけました。

www.adafruit.com 3.3V,5V両対応の回路は上記のモジュールを参考にしました。

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 基板の制作を簡単にするためパターンは片面で収まるように頑張ります。上部にLCDを固定、ホールド値の解除はリセットボタンとしました。センサーのテンションを調整するためにドリルを連打します。

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 基板をCNCで切削して完成しました。

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 現在の温度とホールドしたMAX値を表示するようなスケッチを書きました。使ってみて思ったことは、このセンサーはコテ先を当てる位置の調整が難しいです。真ん中の金属部に当てるより、頂点に伸びる線に当てた方がそれっぽい値が出ることが多いように思えます。もう一つの問題は、はんだコテとGNDが共通なPCをArduinoに接続しているときMAX31855の熱電対がGNDに短絡したエラーが返ってきます。電池で使うかシリアルラインにアイソレータを挟む必要があります。

 作ってみるといろいろな気付きがあります。少々難はあるもののコテ先の温度が見えるようになりました。