微小Lメータの実験

この記事は2008/2/1のものです。

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◆微小Lメータ実験

 製作した実験回路で2ターンの空芯コイルに鉄製のピンセットを通してインダクタンスの変化を観察します。

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◆微小なインダクタを測りたい

 Lメータを製作するにあたって、お手軽な自作を目指し

  • 5V単電源
  • 広い測定レンジ
  • 少ない部品(入手しやすい部品)

 を考えました。PSoCオペアンプを単電源で使い広い測定レンジを確保するのはなかなか厄介で、自分の能力では今のところ1μH~100mHがやっとです。微小領域を測るにはアナログスイッチを追加しファームを工夫すればもう少しいけるのかもしれませんが、そこまでするのだったら広い範囲の電源も入れて全体の構成を見直したほうがよいです。しかしそれでは自分の考えるお手軽の範疇を超えてしまいます。ゴテゴテと部品の追加をしたくないので微小機能の合体はあきらめ別物としたいと思います。

◆仕様を見比べる

 測定実験はPSoCLメータと同じ回路構成で微小なインダクタを測ろうとするものです。 PSoCLメータとの仕様を比較表にまとめました。

  PSoCLメータの仕様 実験仕様
測定範囲 1μH~100mH 0.01μH~10μH
最小分解能 0.099μH 0.0066μH
レンジ 100μH、1mH、10mH、100mH 10μH
測定周波数 1kHz 約5kHz
測定電流 約1.6mA,0.4mA,0.1mAの切り替え 約4.8mA
検出端子 4端子方式
測定方式 位相検波方
校正方法 基準抵抗10Ωによる
電源電圧 5V
消費電流 約25mA(LCDバックライト消灯時) 未確認
精度 不明

 実験の理屈は簡単です。測定周波数を1KHz⇒5kHzに、測定電流を1.6mA⇒4.8mAに変更しただけです。両方合わせると分解能が1/15になり、0.0066uHの単位でインダクタンスの検出ができます。

 結果は上の動画のような感じです。空芯コイルを接続してゼロに合わせました。鉄製のピンセットをコイルの中に抜き差しすると0.01uHの桁が増えたり減ったりすることが確認できました。動作と数値が連動していますのでちゃんと検出されていると思われます。