QFPの手はんだ

 前にステンシルをビールの空き缶で自作する記事を書きました。あの方法は使用するドリルの径で精度が決まります。手持ちのドリルは0.5mmが一番細くQFPパッケージをブリッジなく仕上げるのはなかなか難しです。0.3mmを揃えればいいのかもしれませんが、0.5mmの刃物でも日常的に折ってしまう自分には0.3mmを扱いきれる自信がありません。

 そんな状況で、QFPパッケージの使用頻度も高く、ステンシルなしの試作実装では手はんだを余儀なくされています。これを手はんだする場合、一般的に端の1,2ピンを仮止めしてからフラックスを十分に効かせて小手を滑らす様に半田を流し、ブリッジははんだ吸い取り線で修正する方法が紹介されており、長い間そのように付けていました。

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 あるとき、工場から納品された基板で、はんだレベラーが厚めに処理されているものに出会いました。フラックスを塗布して足を温めらたそのまま付いてしまうのでは?と思いやってみたらブリッジもなく非常に綺麗に付いたのです。

 はんだレベラーの厚みは基板工場によって差異がありますので毎回うまく行くとは限りません。ですから、フラックスを効かせたランドに対して小手先に糸はんだをのせて滑らせる前処理を行うようにしています。ICのピンの裏側にも予めフラックスを効かせて、はんだを盛ったランドの上にICを載せ、順番にピンを温めればブリッジすることなく綺麗に付けられるようになりました。

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 これまでQFPの手はんだはブリッジを修正する手間が憂鬱でしが、この方法を行うようになってからはブリッジの憂鬱から解放されました。